ミナス州=白浜さん外務大臣表彰祝賀会=「ブラジル農業の発展を常に考えた」 ニッケイ新聞WEB版より

左から村上さん、白浜さん、妻・輝子さん

左から村上さん、白浜さん、妻・輝子さん

 昨年12月1日にサンパウロ総領事館(桑名良輔総領事)より発表された「外務大臣表彰」受賞者の1人、白浜清俊さん(熊本県・82歳)の受賞祝賀会が、7月4日ミナス州南部カンブイの別荘にて盛大に行われた。
 白浜さんは20歳の時、1960年にコチア青年2次6回で渡伯。サンパウロ州ブラガンサ・パウリスタのバタタ農園で働いた後、種芋作りに専念するために同船者だった友人らとともにカンブイに移り住んだ。

 同所に移り住んで2年目の66年に妻・輝子さんと結婚。69年には農事関連会社「アグロ・マキナス・ミナス・ジェライス」を創業。当時、日本人が少なかった南ミナス地方でブラジル人に野菜や果物などの生産指導を行い、当時目立った生産物がなかった同地をジャガイモや苺、マンジョッカなどの一大産地に育て上げた功労者。
 これらの貢献が評価され1986年には名誉市民に、2013年には農業発展に寄与したとして州議会から「コメンダドール」(Ordem do Merito Legislativo do Estado de Minas Gerais)の顕彰を受けた。
 祝賀会にはコチア青年連絡協議会の前田進会長や広島県人会の村上佳和さん、従業員、友人、関係者ら約50人程が駆けつけ、感染対策を徹底しながら盛大に行われた。同会の始めに外務大臣表彰賞状の代読を村上さんが務めた。
 白浜さんは「今回頂いた外務大臣表彰は身にあまる思いです。ブラジル農業の発展を常に考えてここまで来ました。これも先人や、ここまで支えてくれた多くの方のおかげ。こうしてコロナ禍でも多くの人が祝賀会に駆けつけてくれて本当に嬉しい」と受賞を喜びながらも謝辞を述べた。
皆で飲み物片手に乾杯

皆で飲み物片手に乾杯

 白浜さんを外務大臣表彰に推薦した1人である同協議会の前田会長は「白浜さんがブラジル農業に与えた影響はとても大きい。今まで彼が積み上げてきた功績を考えれば顕彰は当然だと思います。受賞を心の底から喜んでいます」と称えた。
 コチア青年で渡航し現在イタチーバに在住の岩野忠さんは「白浜さんはこの外務大臣表彰までの道のりで多くの苦労と努力をしてきた。そして常にブラジルの発展を考えて行動し貢献してきました。私も今回の白浜さんの受賞が自分のことのように嬉しい」と笑顔を浮かべた。
 村上さんは「彼がカンブイはもとよりミナス州の発展を進めたと言っても過言ではない。そこには、言葉にしきれない程の苦労があったと思う。今回の受賞を心から称えたい」と笑顔で語った。