一笑一若・アメリカ小話「息子のルームメイト」 富田さんからのお便りです。
和田さん&私たちの50年の皆さん、お元気ですか?アメリカ小話「息子のルームメイト」をお送りします。美女のルームメイトと暮らす息子が母親を自宅に招待します。「単なるルームメイト」という息子を信じない母親。一週間後、息子と母親のアメリカ人らしいウイットに富んだ、メールのやりとり。そして… ご用とお急ぎでないお方は、下記のブログをお訪ねの上、
一笑一若・アメリカ小話「息子のルームメイト」をE N J O Y!!!
Shinzo Tomita
「息子のルームメイト」
ベンは自宅でのディナーに母親を招待した。ディナーの間中、母親は「何てベンのルームメイトは上品で綺麗なのだろう」と感嘆しきりだった。
母親は以前からベンと彼のルームメイトは一体どんな関係なのか、疑問に思っていたのだが、この日のディナーで彼女の好奇心はますます膨れ上がった。
ディナーが進むにつれ、母親はベンと彼女のやりとりから、二人の関係は単なるルームメイトではない、と感づいた。
ベンも母親の思いに気づいて、自分から
「ママが何を思っているか、分かっているよ。だけど、アリソンと僕は単なるルームメイトに過ぎないのだよ」 とやんわり否定してみせた。
一週間後、アリソンはベンに、「あなたのママがディナーに来たときから、グレイビー用のきれいな銀のお玉が見つからないのよ。まさか彼女が持って行ったとは思えないし…」と言った。
するとベンも「そんなことはないと思うが、念のためママにメールするよ」と言って、メールを書き始めた。
「愛する母上へ、僕はお母さんが僕の家の銀のお玉を持って行った、とは思いませんが、お玉を持って行かなかった、とも思いません。でも、何故かあれからお玉が見当たらないのです。 あなたの息子より」
翌日、ベンに母親からメールが着いた。
「愛する息子へ、私はあなたがアリソンと一緒に寝ているとは思いませんが、あなたがアリソンと一緒に寝ていないとも思いません。でも、アリソンが自分のベッドで寝たならば、すぐにお玉を見つけたでしょうに。 あなたを愛する母より」
お後がよろしいようで…