2019年05月
≪アマゾンのアグロフォレストリー≫ トメアス移住地の高松壽彦さんの書籍より(その22)
実はカカオよりかなり大きく、重さが一キログラム以上あることが多い。
県連故郷巡りカリフォルニア=150周年、満砂那(マンザナー)に平和を祈る=《17》 ニッケイ新聞WEB版より
県連故郷巡りカリフォルニア=150周年、満砂那(マンザナー)に平和を祈る=《17》 ニッケイ新聞WEB版より
ミネタは民主党議員としてクリントン政権で日系人として初めて閣僚に選ばれ、その実績を買われて、共和党のブッシュ政権になっても閣僚を続けた珍しい人材だ。党派を超えた逸材と見られていた。
一行の一人、多田邦治さんからはこんな一首も送られて来た。
《星条旗のもとに生まれて星条旗ひるがえる収容所に君らいくとせ》
花談議447≪うらやましい~!!≫ はなさんからのお便りです。
臣民――正輝、バンザイ――保久原淳次ジョージ・原作 中田みちよ・古川恵子共訳=(99) ニッケイ新聞WEB版より
臣民――正輝、バンザイ――保久原淳次ジョージ・原作 中田みちよ・古川恵子共訳=(99) ニッケイ新聞WEB版より
ウサグァーは一言もいわず、泣き言もいわず ののしりもせず、ただあえぐのだった。子どもたちは従妹、ウサグァーの苦しげな息遣いを聞いていた。母親ほどの年齢の差はあったが、まぎれもなくマサユキ、アキミツ、ヨーチャン、そして、赤子ミーチの従姉に違いなかった。
ヨーチャンが「死にかかっているんだろうか?」と聞くと、マサユキは長男としての威厳を見せ、「だまっておれ」と命令した。
しかし、三人ともドアにぴったり耳をあて、注意深く音を聞き、ドアの向こう側でいったいなにが起きているのか、かつて経験したことのない事態に聞き耳を立てていた。
すべての騒動がはじまったのは夜、8時30分を少しまわったときだ。
はじめの銃声があってからの30分は、全員にとって恐怖の時間だった。正輝と房子がウサグァーの出血を抑えようと、躍起になっていた。どうにもならないことが分っていても、簡単にあきらめきれず、状況に打ち負かされないよう房子が金切り声をあげながら、がんばりつづけたあの30分間こそ、壮絶な時間だったといえる。信じがたいことだが、人間はどんな悲壮な状況におかれても、時とともに状況を受け入れ、馴れていくものだ。不思議なことだ。事件が起きてまだ1時間も経っておらず、ウサグァーのうめき声が弱まり、呼吸も速いとはいえ、静かになったとき、
「ヌーウスガテー、ヌーウスガテー(どうしよう、どうしよう?)」
とののしったり、訴えつづけてはいるが、房子はもう叫ばなくなり、落ち着きをとり戻していた。あとは待つだけ。助けを待つ、そして、警察を待つだけなのだ。
ただ、それは長い長い時間だった。助けをよびにいった者は、町の中心にあるサンタカーザ慈善病院まで8キロほど歩いて行かなければならない。そこから、警察所までいって、事情を話し、警察はマシャードス区に出向するチームを動員しなくてはならない。
死の訪れを待つだけだ。死はゆっくり、ゆっくりやってきた。うめきは止まらなかったが、しだいに弱く、間隔がのびていった。子どもたちは目を覚ましたままだった。夜が明けようとしていたころ、うめかなくなった。房子は突然、激しく叫び声をあげ、絶望的に泣きだした。
「声をだしてちょうだい。やめないでちょうだい」
と姪の体を揺さぶりつづけたがむだだった。正輝は力ずくで妻を抑えつけた。
そのあと、ようやく警官と医者一行がやってきた。先頭に地域警察署長のライムンド・アルバロ・デ・メネーゼスがいた。状況にかかわらず冷静な態度で何がおきたか質問した。
正輝は自分が見たことを、自分なりの考えで述べた。玉城牛吉が姪の頭に2発、弾を撃ちこみ、そのあと自分に向けて銃を発したといった。そのときになって、みんなはその部屋にもう一人被害者がいたことを思い出した。午吉にはまだ息があり、所長の質問にひとつだけ答えると、救急車でアララクァーラのサンタカーザ慈善病院に運ばれていった。そこで、胸の弾を抜きだす手術を受けたが、何時間か後に死亡した。
警察署長は家には正輝の家族と被弾した2人だけがいたのかと質問し、彼はそのとおりだと答えた。事件はどのように起きたのか聞かれ、正輝は答えた。子どもたちを寝かせつけ、居間で夫婦と話しているとき銃声を聞き、そちらの方に走っていったら、あのような状況だったと話した。
メネーゼス署長はもう一度質問をくり返した。
「家にはだれかもう一人いなかったのか?」
「わたしたちだけです」と答えた。
ところが、房子は右手で頭をたたいて、「戸田さんはどこ?」と聞いた。