リオ五輪邦人被害状況 ブラジル全公館で29件 サンパウロ新聞WEB版より

2016年8月30日

http://saopauloshimbun.com/wp-content/uploads/2016/08/160830-rio.jpgリオ五輪会場で応援する邦人旅行者ら

強盗事件でもケガ人の被害なし

 21日に閉幕したリオオリンピック。開催期間中は多くの邦人旅行者がブラジルを訪れ、国内の日本公館や日系団体、日系病院などがそれぞれ対応に務めた。会場となったリオ市を管轄する在リオ日本国総領事館内で、21日までに起きた邦人の犯罪被害数は28件。強盗2件、窃盗22件(スリ14件、ひったくり2件、置き引き3件、空き巣3件)、スキミング3件で、カード不正使用1件の内訳となっている。メイン会場となったバーラ・ダ・チジュカ地区内での被害が最も多く、9件の被害件数があった。2件あった強盗被害にはいずれもケガ人などは出ていない。
 在サンパウロ総領事館内での邦人被害は、19日に起きた窃盗被害1件のみ。メトロ2号線のリベルダーデ駅からチエテ駅に向かった邦人旅行者がスリに遭った。被害者はメトロ下車後、しばらくしてからショルダーバッグのファスナーが開いていることに気づき、中を確認すると現金とパスポートが盗まれていたそうだ。被害者はその日、日本へ帰国予定だったといい、同総領事館ではパスポート再発行手続きで対応した。
 サッカー日本男子代表の試合があった在マナウス総領事館、在レシフェ領事事務所管内では、窃盗や犯罪に巻き込まれたなどの被害の届出はなかったという。レシフェ領事事務所の三井靖広所長は「ブラジルは危険だという認識が邦人旅行者にあり、充分注意していたので狙われなかったのではないか」と話した。また三井所長は現地の警察に頼み、オペレーションルーム(軍警が設置しているすべての監視カメラの映像を見ることができる施設)を見学し、警察管轄地域の様子を自身の目で確認。「現地の警察にも、特に邦人被害の届け出はない」とした。
 9月7日から開催されるパラリンピックに向け、在リオ総領事館では「危険な場所に行かない」など基本的な事項から、施設や場所ごとでの防犯対策の注意喚起を行っている。
 そうした中で、邦人旅行者への健康面の対応を行っていたサンパウロ日伯援護協会とサンタ・クルス病院。援協のリベルダーデ医療センターでは下痢の症状を訴え、内科を受診した邦人男性1人を対応。日伯友好病院では日本からの問い合わせがあった以外は、特に患者対応はなかった。
 リオ市内の診療施設に医師を派遣するなどし、日本語での対応を行っていたサンタ・クルス病院では、風邪や食あたりなどの症状を訴えた邦人旅行者の対応が19件あった。その中には胆のうに溜まった石を除去する必要がある重症患者もおり、他の重症患者と合わせ2件の手術を行った。
 他の医師と持ち回りで診察にあたった同病院の北原貴代志アメリコ医長は「邦人患者らは最初は抵抗感があったようだが、親身になり診察し、診察後にタクシーを呼ぶなど丁寧に対応したことで感謝してくれたようだ。お礼の手紙をくれる人も中にはおり、頑張った甲斐があった」と話した。
 援協、同病院共に9月7日から始まるパラリンピック期間中も、邦人旅行者への日本語での対応を行っていく。
2016年8月30日付