移民110周年=眞子さま、7月に来伯へ=「最高に嬉しいニュース」=皇族として最後の海外公務に ニッケイ新聞WEB版より

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パラグアイ移民80周年記念式典に出席した眞子さま(パラグアイ日本人会連合会提供写真)
 秋篠宮同妃両殿下の長女・眞子さまが、日本移民110周年でブラジルを訪問されることが検討されていると29日、共同通信やNHKはじめ日本の各メディアが報道した。11月にご結婚される眞子さまにとって、皇族としては〃最後の海外公務〃となる見通し。移民110周年に強く期待されていた皇室ご訪問の吉報とあって、日系社会から歓迎の声があがっている。
 昨年1月に一足早く祭典委員会を発足させ、大祭典に向け準備を進めてきたパラナ州移民110周年祭典委員会の折笠力己知祭典副委員長は、「待ちに待っていた。パラナ日系社会として最高に嬉しいニュース」と感激で声を震わせた。
 パラナ日伯文化連合会では、皇室ご訪問されることを想定した旅程を確定させ、在クリチーバ総領事館からも早々と承認を得ていた。7月19日にクリチーバとロンドリーナ、20日にローランジアとマリンガーを予定。マリンガーで開催される移民110周年エキスポで、記念式典が午後7時から執り行われる。
 折笠副委員長は「西森祭典委員長が訪日して働きかけてきた結果が実った。州各支部からバス2、3台と駆けつけてもらい、2万人を集めて盛大に行う。式典では500人以上の子供を集め、桜や故郷などの唱歌を合唱してお迎えする」と意気込む。
 一方、聖州移民110周年祭典委員会の呉屋春美祭典委員長は「初耳です。とても喜ばしいこと」と喜びを表わし、「若い皇族のご訪問だけに、若い日系人が関心を持つきっかけになる。記念に残る110周年にしたい」とのべた。
 菊地義治実行委員長も「聖州日系社会として大歓迎」と語る。県連日本祭で7月21日に開催される記念式典についても触れ、「海外最大の日本祭りを見て頂ければ、日本文化を守ってきた日系社会の姿に感心されるのでは。若い人も沢山参加し、特別な式典になる」と期待を膨らませた。
 聖州の旅程は確定していないが、マリンガーでの式典を終えた後の来聖を考慮し、今後、詳細な日程が組まれる予定。飯星ワルテル連邦下議によれば、聖州ではプロミッソン、アラサツーバ、マリリア、カフェランジアに立ち寄られる見通し。
 〃移民の故郷〃上塚第植民地100周年を迎えるプロミッソン。同地移民100周年祭典委員会の前田ファビオ実行委員長は「眞子さまをお迎えし、記念式典を開催することは大きな誇り」と語り、「全ての人の記憶に刻まれるものとなる。皆の力を取り戻し、全日系社会の輝かしい未来を祝して盛大に開催したい」と熱い想いを吐露した。
 眞子さまの海外公務は、昨年のブータンに続く4回目で、一昨年には日本移民80周年でパラグアイを訪問し、現地日系社会と交流を深められた。6月上旬に予定されるハワイ移民150周年には、秋篠宮同妃両殿下が訪問される方向で調整が進められているという。
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 眞子様は、移住80周年でパラグアイをご訪問し、約10日間滞在された。1936年に最初の入植者が足を踏み入れたラ・コルメナを始め、5つの移住地をご訪問され、腰を落として高齢の移住者の声に耳を傾けられていたという。訪問を終えられ、「想像を絶するような困難を勤勉さと誠実さで乗り越え、努力を積み重ねて現在の生活を築かれたことと思いますが、穏やかな表情で今の暮らしへの感謝を語られる一世の方が多いことは印象的でした」と語られた眞子様。ブラジル移民110周年では聖州地方部、特にプロミッソン(上塚植民地)やカフェランジア(平野植民地)にも足を運ばれる可能性がある。どのような印象を持たれるだろうか。