リオ市カーニバル=黒人や先住民などが中心テーマに=各エスコーラのみどころは=趣向を変えたマンゲイラなど ニッケイ新聞WEB版より

昨年のマンゲイラのパレード(Tomaz Silva/Agencia Brasil)

 明日23日(日)夜から24日未明、24日(月)夜から25日未明に、リオ市サプカイのサンボードロモで、カーニバルのスペシャルグループによるパレード(デスフィーレ)が行われる。この模様はグローボ局で生中継されるが、注目エスコーラの今年のエンレド(テーマ)は以下の通りだ。
 まず、昨年の大会では満点で優勝を飾り、「名門復活」を印象付けたマンゲイラ。昨年のパレードでは、2018年に射殺されたリオ市議のマリエレ・フランコ氏を描いた旗を振るなど、かなり政治的な内容で話題を呼んだが、今年のエンレドの題は「真理はあなた方を自由にします」で、イエス・キリストとその愛や赦しがテーマだ。一説では、女性や黒人の姿をとったキリストも登場するとか。出番は初日の23時30分頃だ。
 昨年、4年ぶりにSPグループに復帰したばかりのヴィラドウロをいきなり2位に押し上げたカリスマ・カルナヴァレスコのパウロ・バロスは、1年でヴィラドウロを去り、2010、12、14年と3度の優勝を分かち合った古巣ウニドス・ダ・チジュッカに戻った。今年のチジュッカのエンレドは「夢の住む場所」で、リオの街並みの美しさを表現したものになるという。過去に「人体やぐら」やドローンを飛ばすなど、奇抜な演出を行ってきたバロスが何を繰り出すかが見ものだ。出番は2日目の0時30分頃だ。
 ここ6年連続で5位以上と、かつての全盛期に近い安定感を取り戻してきている名門ポルテーラは今年、かつてのサルゲイロの名カルナヴァレスコ、ラジェ夫婦を迎え、3年ぶりの優勝を狙う。エンレドは、ポルトガル人の到着前からリオに住んでいた先住民を称えた「グアジュピアー」。出番は初日の最後、午前3時30分頃だ。
 一昨年優勝しながら、昨年は11位と強豪らしからぬ成績に終わったベイジャ・フロールは、威信回復を狙い、「もし、この道が私のものだったら」というエンレドで挑む。出番は2日目最後の午前2時30分頃だ。
 また、今年はエンレドに黒人、先住民を選んだエスコーラが多く、名門サルゲイロが伝説の黒人ピエロ、ベンジャミン・デ・オリヴェイラを顕彰する他、モシダーデ・インデペンデンテが90歳の現在も現役でかつ政治的なことでも有名な黒人女性歌手のエルザ・デウザ・ソアレスを選び、グランデ・リオが「カンドンブレを救え」という題のエンレドで、ボウソナロ大統領が差別発言を行ったキロンボを扱っていることも注目される。