一笑一若・アメリカ小話「砂漠、ラクダ、美女たち」 富田さんからのお便りです。


   
和田さん&W50年の皆さん、いかがお過ごしですか?こちら南テキサスは例年に比べて暖かく日中2627℃にも気温が上がり、半袖で過ごしています。今週木曜日がサンクスギビング(感謝祭)に当たるので、学校は月曜から休みになっていますが、コロナ禍の今年の感謝祭は恒例の「民族大移動」は起こらないでしょう。さて、今週は一笑一若・アメリカ小話「砂漠、ラクダ、美女たち」をお送りします。三題噺の真似事で、モンロー印付き「砂漠、ラクダ、美女たち」で皆様のご機嫌をお伺い致します。ご用とお急ぎでないお方は、下記のブログをお訪ねのうえ、一笑一若・アメリカ小話「砂漠、ラクダ、美女たち」E N J O Y !!!

今回は特別に写真二葉をお付けしましたので、よろしく!http://iron3919.livedoor.blog/archives/8361902.html

富田眞三  Shinzo Tomita

アメリカ小話


砂漠,ラクダ、美女たち
0001.britannica

                写真:(www.britannica.com)
【蛇足的まえがき】
 この小話の舞台は砂漠である。加藤まさを作詞の童謡「月の砂漠」はこう歌っている。
月の砂漠をはるばると  旅のラクダが行きました
金と銀との鞍おいて  二人並んで行きました

 長い間、この名曲の金と銀の鞍を「金と銀の砂漠」だとばかり思い込んでいた。
アメリカのアリゾナ州カレキシコ市近辺に文字通りの「金の砂漠」がある。テキサスからカリフォルニアに通じる州際フリーウエイ10号線は、その金の砂漠(ソノラ砂漠)の真ん中を横断する。陽に輝く砂丘の美しさは感動的だった。おまけに、金の砂漠の西北方のニューメキシコ州には、「銀の砂漠」を思わす、国立公園「ホワイトサンズー白い砂」が広がっている。この砂漠は実際に息子と孫とともに歩いたので、記憶は鮮明である。

 さて、アメリカ小話はこのように広大な舞台で映画のようなストーリーが展開する傾向がある。一方、メキシコ小話はせまい寝室が舞台になることが多い。しかも間男は更にせまいクローゼットに隠れるのが定番である。将に今流行の三密ならぬ密閉の世界である。
ラクダにまたがって砂漠を旅する「男」は、散々な苦労の末、砂漠旅の終わりにお誂え向きと言った感じで遭遇した、美女らの車を修理して感謝されるのである。
 美女らに「ありがとう、ミスター!我々は修理の恩返しに何でもしますわ。言ってちょうだい」と言われた「男」は…。 
蛇足ですが、小話の舞台の砂漠はアフリカか中近東で、米国ではないことを付け加えておきます。アメリカにはラクダはいませんからね。(テキサス無宿記)


一笑一若・アメリカ小話 「砂漠、ラクダ、美女たち」
1.pexels.com

                写真:(www.pexels.com)
ラクダにまたがって砂漠を旅する男がいた。
長い間一人で旅していると、何ともはや性的欲望が高まってきてイラついてくる。当然のことながら砂漠には女はいない。

そこで男はラクダに目をつけた。
男はラクダで間に合わせようと挑んだが、ラクダは男を拒否して蹴飛ばし逃げて仕舞った。

 男は砂に足を取られて転びながらラクダを散々追い回した挙句、捕まえると、再びラクダにまたがって旅を続けたのだった。

 その後、再び性的欲望が高まって我慢が出来なくなり、再度挑んだが、ラクダは男を拒否して蹴飛ばし逃げて仕舞った。
 男は砂に足を取られて転びながらラクダを散々追い回した挙句、捕まえると、再びラクダにまたがって旅を続けたのだった。
男の三度目の挑戦も同じ結果だった。

 そしてやっとのことで道なき砂漠を横断し終わると、文明世界の道路に行き着いた。
すこし歩くと、粗末な小屋の前に白いランドローバーが駐車していた。
車中には三人のグラマーな白人女性が途方に暮れて座っていた。

 男は近寄ると、「どうしました?お役に立つことがありますか?」と訊いた。
ロングドレスの金髪美女が車から降りると、「車が故障して動かないのよ。あなたの望むことは何でもするから、車を直して頂戴。お願い!」と男に懇願した。

 男は幸運にも車に詳しかったので、あっという間にエンジンがかかった。

修理し終わると、三人の娘たちは異口同音に、「ありがとう!ミスター、我々は修理の恩返しにあなたに何でもしますわ。遠慮なく言ってちょだい!」と迫ってきた。

しばらく考えた末、「ラクダが逃げないように三人で抑えていて欲しいんだが…」。
と男は頼んだ。

お後がよろしいようで……。